ほぐし屋が考える耳鳴りと難聴~東洋医学の視点から~
- 溝の口 マッサージ

- 2025年3月2日
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東洋医学では、耳鳴りや難聴は単なる耳のトラブルではなく、体全体のバランスの乱れが原因と考えられています。特に、腎臓や肝臓の「気」の不足や偏り、自律神経の乱れ、血流の低下などが影響しているとされています。以下、各体質別の特徴と治療法について詳しくご紹介します。
1. 腎虚(腎臓の気の不足)による症状
主な症状:
耳鳴り、難聴、めまい
腰痛、思考力の低下、排尿異常
むくみ体質
腎臓は生命エネルギーの源とも言われ、精(せい)の蓄えと密接な関係があります。腎虚が進むと、耳への栄養供給が低下し、耳鳴りや難聴が生じやすくなります。
2. 肝の気のたかぶりによる症状
主な症状:
耳鳴り、難聴、頭痛
顔面の紅潮、口苦
自律神経の緊張
肝臓は感情やストレスとも関係が深く、気がたかぶると体内に熱がこもり、耳周辺にも影響を及ぼします。急なストレスや感情の変化が、この状態を引き起こすことがあります。
3. 治療法について
東洋医学では、以下のアプローチで耳鳴りや難聴の改善を目指します。
鍼灸・電気治療・マッサージ:ツボ刺激により、体内の気の流れを改善します。特に、生命活動に欠かせない「気・血・水」のバランスを整えることが重要です。
経絡治療:耳に栄養を与えると考えられている小陽胆経の流れや、肝経・胆経の調整を行います。
漢方処方:体質に合わせた漢方薬を用いて、内側からバランスを整える治療を行います。
4. 耳鳴り・突発性難聴の原因と治療例
耳鳴りの種類とメカニズム
耳鳴りとは、周囲に実際の音源がないのに雑音が聞こえる状態を指します。たとえば、セミの鳴くような音、風や波の音、キーンやピーッといった高音、金属や電子音に似た雑音など、症状は多岐にわたります。
鼓膜の異常:鼓膜がわずかな空気の流れにも過敏に反応し、内耳がそれを音として認識するケースがあります。
血管の緊張:耳内の血管が硬直すると、血液中のミネラルがぶつかり合い、金属音に似た雑音が発生することが考えられます。
また、加齢や日常のストレスにより聴覚の閾値が変化すると、微細な音にも敏感になり、結果としてノイズを感じやすくなります。これがストレスや不安を増幅させ、さらなる症状悪化を招くこともあります。
耳鳴りと難聴の背景にある体質
東洋医学では、耳鳴り・難聴は五臓六腑のバランス、特に「腎」と「肝」との関連が深いとされています。心因性難聴の場合、精神面や感情の問題(「心」の影響)も加わるため、全身の調和を重視した治療が必要です。
5. 中医学に基づく体質別アプローチ
耳鳴りや難聴の治療では、患者さんの体質に合わせたアプローチが有効です。以下、代表的な体質とその対策をまとめました。
① 風熱体質
随伴症状: 耳の痛み、中耳炎、発熱、頭痛、喉の痛み、皮膚炎など
治療例:
漢方:銀翹散、荊芥連翹湯
ツボ:風池、曲池
食材:蓮根、カブ、白菜、大根、ゴボウ、薄荷、菊の花、くず粉、梨、林檎
② 肝火上炎体質
随伴症状: 急な耳鳴り、頭痛、赤ら顔、高血圧、目の充血、口苦、不眠など
治療例:
漢方:竜胆瀉肝湯、加味逍遙散
ツボ:行間、風池
食材:ミント、ジャスミン、緑茶、セロリ、紫蘇、クチナシの実
③ 気血両虚体質
随伴症状: 倦怠感、食欲不振、不眠、顔色の悪さ、めまい、眼精疲労、動悸、脱毛など
治療例:
漢方:十全大補湯、補中益気湯
ツボ:足三里、気海
食材:大豆製品、卵、いんげん豆、山芋、人参、ほうれん草
④ 腎精不足体質
随伴症状: 足腰のだるさ、物忘れ、耳鳴り、頻尿、白髪、難聴、精力減退、むくみなど
治療例:
漢方:六味地黄丸、八味地黄丸
ツボ:腎兪、太渓(※冷えを伴う場合は命門にお灸を加える)
食材:黒豆、黒きくらげ、黒ごま、山芋、卵、くるみ、アーモンド
⑤ 痰濁中阻体質
随伴症状: 耳の詰まり、耳閉感、頭重感、むくみ、めまい、食欲不振、胸苦しさ、軟便など
治療例:
漢方:苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯
ツボ:陰陵泉、豊隆
食材:緑豆、冬瓜、とうもろこし、ハトムギ、もやし
6. まとめ
耳鳴りや難聴は、外的な要因だけでなく、体内の気・血・水のバランスや各臓器の状態、さらには自律神経の乱れによって引き起こされる複合的な症状です。東洋医学では、これらを全身のバランスの乱れと捉え、漢方、鍼灸、ツボ刺激、食事療法など、総合的なアプローチで改善を目指します。
もし「もしかして耳鳴りや難聴が気になる」と感じたら、早めの受診と生活習慣の見直しをおすすめします。心身ともに健康な状態を取り戻すために、まずは自分の体質や生活環境を見つめ直してみましょう。
このブログ記事が、耳鳴りや難聴に悩む方々への一助となれば幸いです。お気軽にご質問・ご相談ください。



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